2015 06月09日 |
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5月16日(土)に開催した研究会の各報告の要旨は以下の通りです。 【2015年度第1回研究会】 共催:日本学術振興会平成26-28年度科学研究費補助金(挑戦的萌芽研究)「日本のカトリック教会による移住・移動者支援の実証的研究」(研究代表者:白波瀬達也、研究分担者:星野壮、高橋典史) 日時:2015年5月16日(土)13:00-17:30 場所:西成市民館3階会議室 (1)徳田剛氏(聖カタリナ大学) 【発表タイトル】 「「非集住地域」における外国人支援セクターとしてのカトリック教会」 【発表要旨】 本報告では、報告者の全体的な問題関心とこれまで行ってきたストレンジャー論や被災地調査などの研究内容について示したのち、近年取り組んでいるカトリック教会の外国人支援に関する調査研究(愛媛県のカトリック教会における英語ミサの概要と外国人信徒の意識調査、東日本大震災時の被災外国人支援活動など)についての報告を行った。さらに、外国人住民の「非集住地域」におけるカトリック教会の意義と今後の研究課題についての確認と、調査を通じて得られた関係者の語りや批判的な言説を紹介しながら、「集住地域」の状況やそれに基づいた「多文化共生」言説を相対化する批判的視座の導出可能性について問題提起を行った。また、仙台教区サポートセンター(元寺小路教会内)や石巻ベースでの被災地支援活動の現況や収集資料の紹介も適宜行った。 (2)荻翔一氏(東洋大学大学院) 【発表タイトル】 「大都市インナーエリアにおける韓国系キリスト教会の変容――東京都荒川区を事例に」 【発表要旨】 本発表では、地域の在日コリアン・コミュニティの特徴と関連させながら、在日コリアンのキリスト教会(韓国系キリスト教会)の変容を考察した。その際、首都圏を代表する在日コリアン集住地域である荒川区における東京福音教会を対象とした。同教会の信者構成は、日本や朝鮮半島の社会的、経済的状況に加えて、地域の在日コリアン・コミュニティからも影響を受けている。同地域では、戦前から高内里出身者が最も多く、相互扶助を有する強固な高内里コミュニティが築かれていた。同教会では、そうしたコミュニティから外れた、いわば地域の在日コリアンの中でも周辺的な人々が、助け合う場として機能した。こうした背景などが影響し、同教会は在日コリアンのエスニシティにこだわらず、韓国系ニューカマーや日本人を受け入れてきた。以上から、韓国系キリスト教会を地域レベルから捉えることによって、より正確にその変容を捉えることができるといえる。 PR |
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