2025 05月06日 |
|
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 |
|
2013 11月15日 |
|
10月26日(土)に開催した研究会の各報告の要旨は以下の通りです。
【2013年度第2回研究会】 日時:2013年10月26日(土)13:30-17:30 会場: 西成市民館(わかくさ保育園の2階) (1)野上恵美氏(神戸大学大学院) 【発表タイトル】「日本におけるベトナム系移住者の社会関係とネットワーク―カトリック教会とベトナム仏教寺を事例に―」 【発表要旨】 本発表の目的は、宗教施設に集まるベトナム系移住者に着目し、そこでの周囲の人びととの関わり方について考察することである。具体的な事例として、カトリック教会とベトナム系仏教寺での日本人との関わり方について取り上げた。 カトリック教会におけるベトナム系移住者と日本人との関わり方の特徴として、ミサでの交流や教会主催の行事での協同など「教会を中心」とした関係性が見られた。一方、ベトナム仏教寺では、職場や地域の日本語教室などにおいてすでに日本人との関係性を築いており、その関係性が寺の建立や運営に反映されていることがわかった。 以上のような事例の報告に基づき、ベトナム系移住者と日本人との関係性を明らかにすることは、日本におけるベトナム系移住者の生活基盤の確保について考えていくうえで、ひとつの手がかりとなることを示した。 (2)早野実花氏(名古屋大学大学院) 【発表タイトル】「在日高齢外国人の死生観―三重県四日市市在住ブラジル人の事例―」 【発表要旨】 本研究では、高齢化が問題となっている日本で、対象者が“日本人高齢者”に限定されていることに注目し、水面下で進む外国人住民の高齢化に焦点を当てる。 報告ではまず三重県四日市市における外国人住民の概要を説明し、四日市市在住ブラジル人を調査の対象とする理由を述べた。 研究の目的は、「日本人も外国人も安心して老後を過ごすことのできる日本社会への提言」であり、以下の2点を明らかにする。一つ目は、在日ブラジル人高齢化問題と日本人高齢化問題の相違・類似点。二つ目は、ブラジル人高齢者の持つ死生観、生老病死に関する考え方が日本で過ごす老年期に及ぼす影響である。 まず、研究のキーワードとして、「高齢外国人住民の死生観」「QOL(Quality of Life)」「QOD(Quality of Death)」「QODD(Quality of Dying and Death)」を提示した。 次に、予備調査としてライフヒストリーを聞いた40代~50代男女4人の事例を紹介し、高齢者の死生観は信仰や宗教と結びついているのか、生活史によって大きく異なるのかを今後の課題として調査することを報告した。 さらに、地域社会での医療・福祉・介護分野における多文化共生を考察し、研究目的達成の手段のひとつとする。 (3)高橋典史氏(東洋大学) 【発表タイトル】「宗教から「多文化共生」を再考する―「移民と宗教」研究の今後に向けて―」 【発表要旨】 本発表では「現代社会における移民と宗教」プロジェクトの今後の方向性について、「多文化共生」とい う点から検討を試みた。近年の移民研究やニューカマーの宗教に関する研究動向を眺めてみると、「多文化共生」の議論との接合を論じたものが少なくない。ただし、行政主導の「多文化共生」政策にせよ、アカデミックな「多文化共生」論にせよ、当該の概念はさまざまな点から批判にされてきた。とはいえ「多文化共生」的なるもの、すなわち多様な背景を有する人びとの間の「共生」の模索という構想じたいが全面的に批判され、撤回を余儀なくされている訳ではない。 本研究プロジェクトにおいて重要なのは、そうした議論のアリーナにおいては「宗教」という視点が看過されがちであるという現状である。そこで、本発表では「共生」の現場ともいえる「地域社会」と「社会参加」という領域への宗教の関わりに注目することによって、「多文化共生」問題へ接近することの学術的かつ社会的な意義を指摘した。 PR |
|
コメント |
コメント投稿 |
|
忍者ブログ [PR] |